津山城の作り方(参考です)
今では桜の名所にもなってますが、この津山城は本能寺で信長と共に討ち死にした森蘭丸の弟の森忠政が築城しています。天守は幕府への表向き四重五階とされていますが、事実上の五重天守です。
築城は慶長8年(1603)ごろからスタートして元和2年(1616)完成とのことです。武家諸法度が元和元年(1615)に発布なのでギリでこの大型天守が建てられたという感じです。武家諸法度の後なら、この森忠政の津山藩は18万6500石なので、五重天守は認められなかった、あるいは謀反の疑いをかけられお家断絶の目に遭っていたことでしょう。幕府の指針では五重天守を建てられるのは100万石の大名で18万石レベルでは三重天守程度です。元々その城に天守が無かった場合は三重櫓になります。それでも幕府に「五重天守を建てたのか!」と言われたので、忠政は慌てて四重目の瓦を取って「あれは庇(ひさし)です」と言い訳したそうです。
話が長くなりましたが、このモデルは非常にボリュームがあります。初めて作るには難しいですが、これまでに他の城を一つ、二つ作った事があれば時間をかければ作れます。またこれまでのモデルとの違いは、石落としを立体化し、組立図も細かくしました。元々設計したのも古く(10年以上前になります)、天守以外の石落としは絵で省略してましたが今回は細かいのをたくさん作らなければなりません。見かけは良くなりましたが作るしんどいです。
本品を組み立てる前に、カテゴリ内の作る前に(道具・心得)と作り方基本編そして、作り方必殺技編を確認しておいてください。特に「作り方の基本編」にある「屋根裏編」は見ておいてください。
【手順1】
最上階(4重目)の屋根を作ります。1番の屋根中央の棟の部分を裏のりで接着します。
そして2番の屋根も組立図の「屋根裏への折り返し」を参考に裏のりで接着します。
この1番と2番を接着してから1番屋根の屋根裏を裏のりで接着します。
Aのシャチを真ん中で折り、裏のりで屋根の棟を挟む様にして接着します。
【手順2】
3、4、5番を写真の様に組み立てます。4はきりだすだけですが・・・。
先に仮組して確認です。5番の廻縁に4番の床がすんなりハマるか確認してください。5番の折り曲げがズレていたり、折りが甘いと、4番がすんなりハマらない場合があると思います。その時は4番の縁を少し切ったりして調整してください。
そこまで言わんでも分かるわな。自分で良い様に調整してくださいということです。
では、接着して行きます。手順1の最上階屋根と3番の最上階を接着します。
3番最上階の下面に4番の床を接着。ズレないようにしてください。
4番床の裏側にのりを塗って5番の廻縁にはめ込み接着します。
【手順3】
事実上四重目、表向き庇(ひさし)の板葺き屋根です。部品は6番、7番。各2個あります。これをつなぎます。
板葺き屋根を廻縁の裏に接着します。のり代位置に合わせて接着します。向きがあるのでご注意ください。。
【手順4】
4階と三重目屋根を作ります。
まず9番の屋根の屋根裏を裏のりで貼り合わせておきます。
そしてこの9番2個と10番2個をつなぎ合わせます。
10番の屋根裏を同様に裏のりで折り返して貼り合わせます。
4階の8番と接着します。
【手順5】
3階と二重目屋根を作ります。作り方は先ほどと同じです。
【手順6】
2階と一重目屋根を作ります。これも作り方は先ほどと同じです。
【手順7】
1階です。17番の1階と18番石落とし4つ、そして19番入口の庇。19番の庇は屋根部を裏のりで貼り合わせておきます。
1階に石落としと庇を接着します。石落としは小さいのでピンセットを使いましょう。簡単に作業出来ます。
【手順8】
天守を組み立てます。
手順3の最上階と手順4の4階と三重目を接着します。4階を板葺き屋根の裏に接着しますが、板葺き屋根の裏にのり代表記がありません。形状で合わさるようになっています。
作りが悪いと納まりが悪くなるかもしれません。ので上から見て歪んでいないかを確認してください。
次に手順5の3階二重目を接着。
同様に手順6の2階一重目も接着。最後に1階を接着します。
【手順9】
天守台です。
20番を組立て裏から入口の21番を貼り付けます。
22、23、24番を接着します。ここはのり代に指が入らないのでピンセット必須です。
そして、天守台に接着します。
【手順10】
ここからは天守周辺の櫓を作って行きます。
25番の屋根。中央の棟の部分は天守最上階と同じ裏のりで貼り合わせます。そして写真手前側の のり代の部分。これも裏のりで折り返して屋根の裏側に貼り合わせます。
両側の屋根裏も同様に屋根の裏に貼り合わせます。
26番の破風板を接着します。
接着位置は外側です。破風板が細くて写真では見にくいですね。
27番の多門櫓を作り28番の石落としを接着。
屋根と接着します。
【手順11】
二重櫓の屋根です。サイズは小さいですが、手順1の天守最上階と作り方は同じなので説明ははぶきます。
【手順12】
31番の2階建て櫓に、さっきの手順11の屋根そして庇に石落としを接着します。屋根の向きは、のり代の色で判別できます。
【手順13】
ここの作り方は手順10とほとんど同じです。
【手順14】
ここも説明はないです。
【手順15】
ここも手順12と同じ。
【手順16】
ここも説明はない。
【手順17】
ここは少しややこしいかもしれませんが、これまでやってきたことと基本的に同じです。二重櫓の屋根と多門櫓の屋根の複合技になります。
まずは部品を綺麗に切り出し44番と46番の屋根の棟を裏のりで貼り合わせておきます。そして45番の破風の屋根裏も貼り合わせておきます。
44番の屋根に45番破風を接着します。のり代の圧着は指では出来ないのでピンセット使ってください。そしてシャチもね。
屋根裏は接着してしまっても良いのですが、私は相手側の のり代を屋根裏で挟み込みたいのでここでは西側だけ貼り合わせます。
同様に46番屋根に47番の破風を接着します。そしてシャチ。
この屋根は北側の屋根裏を接着します。
この二つの屋根をつなぎます。
つないだら、未接着の屋根裏を接着します。
【手順18】
48番と52番をつなぎます。このつなぎ面に隙間があったりづれていると土台に接着時に寸法が合わず石垣からズレてしまうこともあるのでしっかり密着させてください。
そして50番と51番の庇を接着します。重なりは51番が上になります。
【手順19】
今度は外側の庇や石落としを接着します。
まず54番、55番の庇をつなげ、屋根裏を貼り合わせ櫓に接着します。
今までと同じ要領で石落としを接着。
手順17の屋根を接着します。
【手順20】
天守北側の7番門付近の石垣です。
特に解説するほどのものではありません。自分の作りやすい手順で接着して行ってください。
【手順21】
ここまでに作った櫓たちをつないでいきます。注意点は櫓どうしの接着は隙間なくベッタリ、ぎゅっと、詰めるように接着してください。
手順13の多門に手順12の二重櫓を接着します。
そこに手順10で作った櫓を接着。壁どうしをぎゅっと詰めて接着することばかりに気を取られていると高さが狂ったり、傾いて接着したりしないように。櫓の下部が段違いになっていないか平らなところに置いて隙間もチェックしましょう。下部の床面に隙間があるということは段違いになっているかよじれているということです。その場合のりが乾く前に修正しましょう。
今度は反対の北側に手順15の二重櫓を接着します。
【手順22】
今、接着した北側の二重櫓に手順16を接着します。ここは櫓下部が段違いになります。二重櫓側の接着位置を確認して位置を合わせます。
手順19で作った七番門の櫓です。ここも注意点は同じです。ちょっとシビアでムズイよね。
これは内側からの写真です。参考までに。
こんな続き櫓になります。
【手順23】
59番の門内側です。両サイドの折ってある部分は裏のりで貼り合わせます。
これは60番これも組図に描いてあるとおり裏のりで折り返して接着します。
60番のノリ代に合わせて接着します。
【手順24】
62番と63番を接着します。
それを先に作った手順20の石垣に接着します。
今度は66番を接着。
手順23の七番門。
64番、65番の枠を接着。
裏から手順9の天守台を接着します。
【手順25】
続き櫓を土台に接着します。まずのりを塗る前に櫓が土台に綺麗に乗るか確認しましょう。浮いたりしそうな箇所にはのりを多めに塗るとか自身で検討します。それから、のりを塗る箇所が多いのでのりは少し多めにして縁にもしっかり塗っておきます。丁寧に位置決めをしながら貼り合わせていきます。
次は天守を接着します。これで一応完成ですが、この津山城は天守周りが平面なので経年で沈下がおきる可能性があります。
なので68番、69番で補強柱を作ります。
天守台裏に接着します。これで完成です。お疲れ様です。
今では桜の名所にもなってますが、この津山城は本能寺で信長と共に討ち死にした森蘭丸の弟の森忠政が築城しています。天守は幕府への表向き四重五階とされていますが、事実上の五重天守です。
築城は慶長8年(1603)ごろからスタートして元和2年(1616)完成とのことです。武家諸法度が元和元年(1615)に発布なのでギリでこの大型天守が建てられたという感じです。武家諸法度の後なら、この森忠政の津山藩は18万6500石なので、五重天守は認められなかった、あるいは謀反の疑いをかけられお家断絶の目に遭っていたことでしょう。幕府の指針では五重天守を建てられるのは100万石の大名で18万石レベルでは三重天守程度です。元々その城に天守が無かった場合は三重櫓になります。それでも幕府に「五重天守を建てたのか!」と言われたので、忠政は慌てて四重目の瓦を取って「あれは庇(ひさし)です」と言い訳したそうです。
話が長くなりましたが、このモデルは非常にボリュームがあります。初めて作るには難しいですが、これまでに他の城を一つ、二つ作った事があれば時間をかければ作れます。またこれまでのモデルとの違いは、石落としを立体化し、組立図も細かくしました。元々設計したのも古く(10年以上前になります)、天守以外の石落としは絵で省略してましたが今回は細かいのをたくさん作らなければなりません。見かけは良くなりましたが作るしんどいです。
本品を組み立てる前に、カテゴリ内の作る前に(道具・心得)と作り方基本編そして、作り方必殺技編を確認しておいてください。特に「作り方の基本編」にある「屋根裏編」は見ておいてください。
【手順1】
最上階(4重目)の屋根を作ります。1番の屋根中央の棟の部分を裏のりで接着します。
そして2番の屋根も組立図の「屋根裏への折り返し」を参考に裏のりで接着します。
この1番と2番を接着してから1番屋根の屋根裏を裏のりで接着します。
Aのシャチを真ん中で折り、裏のりで屋根の棟を挟む様にして接着します。
【手順2】
3、4、5番を写真の様に組み立てます。4はきりだすだけですが・・・。
先に仮組して確認です。5番の廻縁に4番の床がすんなりハマるか確認してください。5番の折り曲げがズレていたり、折りが甘いと、4番がすんなりハマらない場合があると思います。その時は4番の縁を少し切ったりして調整してください。
そこまで言わんでも分かるわな。自分で良い様に調整してくださいということです。
では、接着して行きます。手順1の最上階屋根と3番の最上階を接着します。
3番最上階の下面に4番の床を接着。ズレないようにしてください。
4番床の裏側にのりを塗って5番の廻縁にはめ込み接着します。
【手順3】
事実上四重目、表向き庇(ひさし)の板葺き屋根です。部品は6番、7番。各2個あります。これをつなぎます。
板葺き屋根を廻縁の裏に接着します。のり代位置に合わせて接着します。向きがあるのでご注意ください。。
【手順4】
4階と三重目屋根を作ります。
まず9番の屋根の屋根裏を裏のりで貼り合わせておきます。
そしてこの9番2個と10番2個をつなぎ合わせます。
10番の屋根裏を同様に裏のりで折り返して貼り合わせます。
4階の8番と接着します。
【手順5】
3階と二重目屋根を作ります。作り方は先ほどと同じです。
【手順6】
2階と一重目屋根を作ります。これも作り方は先ほどと同じです。
【手順7】
1階です。17番の1階と18番石落とし4つ、そして19番入口の庇。19番の庇は屋根部を裏のりで貼り合わせておきます。
1階に石落としと庇を接着します。石落としは小さいのでピンセットを使いましょう。簡単に作業出来ます。
【手順8】
天守を組み立てます。
手順3の最上階と手順4の4階と三重目を接着します。4階を板葺き屋根の裏に接着しますが、板葺き屋根の裏にのり代表記がありません。形状で合わさるようになっています。
作りが悪いと納まりが悪くなるかもしれません。ので上から見て歪んでいないかを確認してください。
次に手順5の3階二重目を接着。
同様に手順6の2階一重目も接着。最後に1階を接着します。
【手順9】
天守台です。
20番を組立て裏から入口の21番を貼り付けます。
22、23、24番を接着します。ここはのり代に指が入らないのでピンセット必須です。
そして、天守台に接着します。
【手順10】
ここからは天守周辺の櫓を作って行きます。
25番の屋根。中央の棟の部分は天守最上階と同じ裏のりで貼り合わせます。そして写真手前側の のり代の部分。これも裏のりで折り返して屋根の裏側に貼り合わせます。
両側の屋根裏も同様に屋根の裏に貼り合わせます。
26番の破風板を接着します。
接着位置は外側です。破風板が細くて写真では見にくいですね。
27番の多門櫓を作り28番の石落としを接着。
屋根と接着します。
【手順11】
二重櫓の屋根です。サイズは小さいですが、手順1の天守最上階と作り方は同じなので説明ははぶきます。
【手順12】
31番の2階建て櫓に、さっきの手順11の屋根そして庇に石落としを接着します。屋根の向きは、のり代の色で判別できます。
【手順13】
ここの作り方は手順10とほとんど同じです。
【手順14】
ここも説明はないです。
【手順15】
ここも手順12と同じ。
【手順16】
ここも説明はない。
【手順17】
ここは少しややこしいかもしれませんが、これまでやってきたことと基本的に同じです。二重櫓の屋根と多門櫓の屋根の複合技になります。
まずは部品を綺麗に切り出し44番と46番の屋根の棟を裏のりで貼り合わせておきます。そして45番の破風の屋根裏も貼り合わせておきます。
44番の屋根に45番破風を接着します。のり代の圧着は指では出来ないのでピンセット使ってください。そしてシャチもね。
屋根裏は接着してしまっても良いのですが、私は相手側の のり代を屋根裏で挟み込みたいのでここでは西側だけ貼り合わせます。
同様に46番屋根に47番の破風を接着します。そしてシャチ。
この屋根は北側の屋根裏を接着します。
この二つの屋根をつなぎます。
つないだら、未接着の屋根裏を接着します。
【手順18】
48番と52番をつなぎます。このつなぎ面に隙間があったりづれていると土台に接着時に寸法が合わず石垣からズレてしまうこともあるのでしっかり密着させてください。
そして50番と51番の庇を接着します。重なりは51番が上になります。
【手順19】
今度は外側の庇や石落としを接着します。
まず54番、55番の庇をつなげ、屋根裏を貼り合わせ櫓に接着します。
今までと同じ要領で石落としを接着。
手順17の屋根を接着します。
【手順20】
天守北側の7番門付近の石垣です。
特に解説するほどのものではありません。自分の作りやすい手順で接着して行ってください。
【手順21】
ここまでに作った櫓たちをつないでいきます。注意点は櫓どうしの接着は隙間なくベッタリ、ぎゅっと、詰めるように接着してください。
手順13の多門に手順12の二重櫓を接着します。
そこに手順10で作った櫓を接着。壁どうしをぎゅっと詰めて接着することばかりに気を取られていると高さが狂ったり、傾いて接着したりしないように。櫓の下部が段違いになっていないか平らなところに置いて隙間もチェックしましょう。下部の床面に隙間があるということは段違いになっているかよじれているということです。その場合のりが乾く前に修正しましょう。
今度は反対の北側に手順15の二重櫓を接着します。
【手順22】
今、接着した北側の二重櫓に手順16を接着します。ここは櫓下部が段違いになります。二重櫓側の接着位置を確認して位置を合わせます。
手順19で作った七番門の櫓です。ここも注意点は同じです。ちょっとシビアでムズイよね。
これは内側からの写真です。参考までに。
こんな続き櫓になります。
【手順23】
59番の門内側です。両サイドの折ってある部分は裏のりで貼り合わせます。
これは60番これも組図に描いてあるとおり裏のりで折り返して接着します。
60番のノリ代に合わせて接着します。
【手順24】
62番と63番を接着します。
それを先に作った手順20の石垣に接着します。
今度は66番を接着。
手順23の七番門。
64番、65番の枠を接着。
裏から手順9の天守台を接着します。
【手順25】
続き櫓を土台に接着します。まずのりを塗る前に櫓が土台に綺麗に乗るか確認しましょう。浮いたりしそうな箇所にはのりを多めに塗るとか自身で検討します。それから、のりを塗る箇所が多いのでのりは少し多めにして縁にもしっかり塗っておきます。丁寧に位置決めをしながら貼り合わせていきます。
次は天守を接着します。これで一応完成ですが、この津山城は天守周りが平面なので経年で沈下がおきる可能性があります。
なので68番、69番で補強柱を作ります。
天守台裏に接着します。これで完成です。お疲れ様です。